織田信長ブログ【冷凍食品】
- 2012.06.20 Wednesday
- 20:26
クハハハハハハ!!信長である!!
全てのものを切り刻む我が刀、味わってみるか?こないだまで書いていたものは長いので一旦やめじゃ!!この戦闘のようにダラダラと長く続けていても面白くない。
第六天魔王自らが先陣を切り、敵将を斬り捨ててくれるわっ!!ブログの更新をしてからなっ!!
***
セックスをした後は味の濃いものが食べたくなるので、冷凍庫をゴソゴソと漁って、冷凍のボロネーゼをレンジに入れて、ターンテーブルが回るのをぼーっと眺める。ああまた、ヤってしまった。あたしは頭を掻きむしった。
再開は6年ぶりの高校の同窓会だった。
「濃ちゃん、久しぶり」
「・・・信長?・・・あんた、髪伸びたねー」
「久しぶりに会った感想それか」
それ以外何も言えなかった。だって信長、ものすごくカッコよくなってたから。ふざけんなよ。野球部で2番ショートの地味坊主だったじゃん。くそう。こんなイケメンになるとは、惜しいことしたぜ。
「濃ちゃんは変わってないね」
そう言いながら信長は奥側の椅子を引いてあたしを座らせて、自分はその向かいに座った。あんたは変わったね。昔はそんな気を遣える男じゃなかったけど。
信長とは高校の間付き合ってて、一緒に登下校したり、安いシルバーの指輪を贈り合ったり、親が旅行に出かけた隙に泊まったり、そんな普通の付き合いをしてた。結局は、真面目すぎる信長が重くなって別れたんだけど、まあ、それも今となっては良い思い出。
その時のイメージとは違って洗練されちゃってる信長を目の前にして、とりあえず何を話したらいいのかわからず、あたしはビールに手を伸ばす。それを察したのか信長は話題を振ってくれた。
「濃ちゃんは今、何してるの?」
「ん。普通。信長は?」
「まあ、俺も普通。野球部のある会社に就職して、働きながら野球やってる」
「なにあんたまだ野球やってんの?」
見た目も態度も変わっちゃった昔の恋人がまだあの頃と同じように野球をやってるのが、なんか嬉しかった。ので、つい、飲み過ぎた。気がついたら朝で、信長の部屋のベッドに居た。
「あー。」
「おはよう、濃ちゃん。」
「あー・・・ヤッた?」
「覚えてないのかよ」
「あはは。いやー。その、ね。」
「じゃあ、もう一回」
「ちょ!待っ!」
・・・待っ!たなくていいか。
別に今、彼氏がいるわけじゃないし。一回り大きくなった信長の背中を触りながら、そのまま身を委ねる。さすがに高校3年間、猿みたいにセックスをしていただけあって、信長はあたしのいいところをわかってる。
心地良い愛撫と、たまに耳元で囁く言葉。あと、結構久しぶりのセックスだったので、ちょっと乱れた。
「濃ちゃん、また会える?」
「あー。うん。会えるよ。」
「そっか。じゃあ連絡先教えて」
「いーよ。てかあんた、彼女とかいんの?」
「うん。いるよ」
いるのかよ!
いるのかよいるのかよいるのかよ!!馬鹿か!馬鹿かコイツ!あの純朴だった野球少年はどこ行った!どこまで女慣れしてんだよ!!あー!あー!クソっ!クソか!あたしもう24だよ?それなのにセックスフレンドか!ああんアホな女。誰がまた会ってやるか。ひっぱたいてオシマイだよ馬鹿野郎。
というわけで、それから2ヶ月くらい関係を続けています。
いや、違うんです。いや、ちがくないんだけど。あのー、良かったんです。セックスが。ちょうどあたし彼氏も居ないし、寂しい時くらい、ね。週に一度くらい会って、ごはん食べて、セックスして、夜に自分の家に帰って、小腹が減って冷凍食品食べて。
そう思うと、信長は冷凍食品みたいなものだ。いつでも簡単にあの頃の気持ちを思い出させてくれる。耳元で囁く言葉も、あの頃と同じ。かわいい。きれいだ。好きだよ。レンジで温めてそのまま出してくれる。
ボロネーゼは解凍がうまく行かなかったみたいで真ん中の辺りはまだ凍ってた。まあ、でも、とりあえず小腹だし。いっか。
でも。ボロネーゼの真ん中をフォークでガシガシやりながら考える。まあ、いっかって、この考えがダメだな。
冷凍食品ばっか食べてると怠け癖がついていけない。ちゃんとした料理して食べようって気持ちがなくなっちゃう。これは良くない。そうだな。やめよう。
あたしはもう電車もないからタクシーで信長の家に行った。多分彼女と一緒だろうけど、知るもんか。やめだやめだ!盛大にやめて、冷凍食品も全部捨ててちゃんとした料理食うんだ!
「どしたのこんな時間に!忘れ物?言ってくれたら届けたのに」
信長は普通に出た。
「ん。ちょっと。」
「上がる?」
「うん。上がるわ」
信長は彼女とは一緒じゃなかったけど、部屋入った瞬間にさっきまではなかった写真立てをパタンと伏せた。はいはい。彼女との写真ですか。はいオッケー決心つきました。
「ええと、もうやめようと思って」
「なにを?」
「この関係を。」
「え?なんで?」
この期に及んで、ですよ。こういう時に男ってのはこういう風に言うんですよ。ビックリですよ。なんでじゃねえよ。誰が望んでセックスフレンドやってると思ってんだよ。
「なんでじゃねえよ。誰が望んでセックスフレンドやってると思ってんだよ」
普通に声に出してた。まあいいや、最後くらい爆発しちゃおう。
「昔の感じに流されて寝ちゃったあたしも悪い。そりゃ認めるよ。でもこの関係が良いだなんて思うはずないだろが!」
部屋を見回してさっきまでなかったものその2。アクセサリー入れ。
「大体な、セックスフレンドが来る時だけ彼女との品を隠すなんてみみっちいんだよ!このアクセサリー入れの指輪!彼女との思い出の品ですか!?この写真立て!彼女と旅行に行った写真ですか!?なめんな!!」
そう言って指輪と写真立てを投げつけてやろうと手に持ったら、それは高校の時にあたしが渡した指輪と、高校の時のふたりの写真だった。
「・・・ハ?」
写真立てを振りかぶったまま、とりあえず今出せる最長の疑問文を絞り出した。
「・・・ごめん」
「ハ?」
「濃ちゃんのこと、そんなに傷つけてたなんて、ごめんな」
「いや、そうじゃなくて、ハ?」
「え?」
「いや、ナニコレ。指輪。写真。ナニコレ?」
「それは二人の思い出の」
「ハイソウデスネ。なんでそれがここにあるのですか?」
「いや、そりゃ、俺のだから」
「そういう意味じゃなくて、こんなの普通置いてたら彼女に怒られるでしょ」
「彼女、いないんだ」
「ア?」
全く意味がわからない。
「あんた何言ってんの?」
「だから、彼女はいないんです」
信長はすでに敬語だ。
「なんでそんな嘘つくの」
「だって濃ちゃん、重い男、嫌だろ?」
「どういう意味?」
「別れる時、そう言っただろ?でも俺、それからもずっと、濃ちゃんのこと忘れられなくて」
「重っ!!」
正座までしてあたしのことを見上げる信長。子犬か。あたしはため息をついて信長の前に座る。
「あんたね。バカね。何も変わってないじゃん。無理することなんてなかったのに」
あたしは信長のおでこにキスをした。
「じゃあ、またやり直してくれるのかな?」
「そうね。」
あたしはベッドを見て、それからキッチンの方に目を向けた。
「とりあえず、何か味の濃い食べ物ある?」
今日はとびきり、味の濃いものが食べたくなるだろうから。
***
クハハハハハハ!!食べ物の話を書いていたら腹が減ってきたぞ!敵将も切り捨てたことだし、つけ麺でも食いに行くか!!わしは熱盛りで!!
書籍版「偉人ブログ」絶版中!
ラノベとか見てない世代のBBAだけど、面白い!
残念な所は自分の中の再生がおもてなし武将隊で出てしまう所だ!
あっ、遅ればせながら本買いましたよ
入院している間に乗り遅れた!
信長ブログの新作が来てたなんて!!!
信長ブログを愛して早数年
毎回胸の奥がきゅーんとする不惑の四十です
もう嫁であり母なので恋愛など
はるか彼方にいってしまいましたが
此処に来るたびに恋したくなります
相変わらずいい恋愛小説書くね。上手いね。
しかし前の続きも書いて欲しいよ。
信長と濃姫と光秀の三角関係がどうなったのか気になるんですけどーーーーー!
信長くんみたいな人と会いたいww