片倉小十郎ブログ【政宗様の病状】
- 2015.12.30 Wednesday
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政宗様が病を発症させてからだいぶ経ちました。
子供の頃から政宗様のお側にお仕えしていた身としては、おいたわしいの一言です。人によってはその病は1年もすれば治る、はしかのようなものでしょう。しかし、政宗様はこの病と相性が良すぎる。下手をすれば一生付き合っていかなければならないのかもしれません。
その病、名を『中二病』と言います。
思えば最初は小さなほころびでした。「小十郎、小十郎!オレの事これから『独眼竜』って呼んでくれよ!」と明るい笑顔で言っていた政宗様。幼少の頃に天然痘で右眼を失ってから塞ぎこむ事が増えていたので、私はそれで政宗様の笑顔が戻るのならと、国中に『伊達家の次代当主は独眼竜!』という御触を出しました。
それからというもの、突然右肩を押さえて「クッハッ・・・!奴らが・・・こんな近くに・・・!!」とか、頭を押さえて「力が・・・!力が暴走する・・・!!」と言ったりしています。もちろん何も起きません。
ああ!なんということでしょう!おいたわしや政宗様!!天下を我が物にする器を持ちながら、病によってそれに届かないとは!!
最近は武器の名前付けに凝っているようで、こんな会話をしました。
「小十郎、お前の刀、名前はないのか?それならば魂が無いのと同じだぞ?」
「なるほど。どのような名前が良いのでしょうか」
「闇より出でし魔剣・・・漆黒の翼というのはどうだ?」
「漆黒の翼ですね。わかりました」
「違う!『闇より出でし魔剣・漆黒の翼』だよ小十郎!」
「長いですね」
「そうだ。しかしこの刀はこれで霊が宿った。決して間違えたりするなよ。ちゃんと刀を抜く時には『闇より出でし魔剣・漆黒の翼!』って言ってくれよ!」
「わかりました。『漆黒の闇の翼の魔剣!』」
「違う違う違う違う!!」
「『深淵より出でし暗雲とともに翼を広げる魔剣!』でしたっけ?」
「違う!『漆黒より出でし翼・深淵の魔剣!』だ!」
「なるほど。名前を間違えないように気をつけます」
ああ!おいたわしや政宗様!この小十郎、一生政宗様のおそばにお仕えし、政宗様のお痛々しい発言を全て詳細にこのブログに記録をして26歳くらいになって病が治った後でブログの存在をお教え差し上げましょうぞ!
政宗かっこえーわ(笑)