クハハハハ!久しぶりじゃのう!信長じゃ!!なかなかわが軍は苦戦を強いられておるようじゃのう!!しかしそうでなくては面白くないわっ!!
出陣じゃ!ブログの更新をしてから出陣じゃーーー!!!
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日曜日は、ものすごく早起きをして井の頭公園に行く。朝4時に起きて、ゆっくりと歩く。そこに行くと、彼女に会えるような気がして。
お濃と出会ったのは大学生の頃だった。ひとつ下の、恥ずかしそうに笑う女の子。たまたま同じゼミを取っていただけ。でも、うちのゼミのやつらはみんな飲み会が好きで、良く吉祥寺で飲んでた。(僕の部屋が吉祥寺にあるから)
やっぱりその日も「いせや」で酔っ払っていた。焼き鳥をくわえながらビールを飲んで、教授の物まねとか、将来の夢とか、恋人の作り方とかを話して、みんなで僕の部屋に移動し、酒を飲みながら眠りに就く。ものすごく自堕落だけど、それが楽しい。
時計が午前4時を指し、みんなの寝息を確認してから、僕はキッチンでタバコを吸う。どうせベッドもソファーも床も占領されてて寝る場所なんてないし。と、ドアが開いた。
「あれ?お濃、どした?」
「なんか眠れなくなっちゃいました。」
「そうなんだ。」
「うん。」
お濃は僕の隣に座って言った。
「ずっと、起きてるつもりですか?」
「まあね。どうせ寝れないし。」
「だったら、お散歩に行きませんか?」
「は?こんな遅くに?」
「もう、"早く"ですよ。」
ふたりで井の頭公園まで歩くことになったのはいいけど、外はまだ暗く、そして半端じゃなく寒かった。
「ちょっと、寒すぎじゃないか?」
「冬ですしねー。」
「つーか、手が冷たすぎて・・・」
「あたし、あったかいですよ。」
そういうとお濃は僕の手を握った。僕は、驚いてお濃の顔を見る。恥ずかしそうに笑うお濃。そうして手をつないで、いせやの横を通り過ぎて、公園に入る。
歩を進めるたびにサクっと霜が小気味良い音をたてる。ふたりで橋の真ん中に立って、空を見上げる。群青色の土台から、上に行くにしたがって水色に変わっていくグラデーション。無音。前を見ても、後ろを見ても、誰一人存在しない空間。
白い、塵のようなものが舞った。そして、つないだ手に落ち、消える。
「・・・静かだね。」
「・・・そうですね。」
そのままふたりで、落ちてくる粉雪を眺める。手のひらを広げ、そこに白いものが落ち、消えると、お濃が口を開いた。
「なんか、世界で、最後のふたりになったみたいですね。」
振り返った時のお濃は、きれいだった。
僕はお濃を抱き寄せる。近づく顔。冷たい唇。
それから2年間、僕とお濃は吉祥寺で生活を共にした。きっと、お濃は僕がいなくちゃ生きていけないんじゃないかと思うくらいに、ずっと一緒にいた。でも、そう思っていたのは僕だけで。
「それじゃあ、行って来ます。」
空港でお濃を見送る。世界地図を見て、右から行った方が近いのか、左から行った方が近いのかわからないくらい遠いところに、お濃は自分の夢を追いに旅立つ。僕は、賛成も反対も出来ずに、ただ、うつむいていた。
お濃が空港のゲートをくぐる。僕は小さく「さよなら」とつぶやく。そう、口を開いた瞬間、涙があふれる。僕は、お濃が振り返る前に、背を向けた。
それからもう、4年が経った。僕はまだ吉祥寺を離れられずに居る。あの時、もっとちゃんとした別れかたをしておくべきだったと、後悔してる。「がんばれ」さえも言ってあげられなかった。「ずっと愛してる」「待ってる」言えなかった言葉たちが、ずっと僕を責め続けていた。
井の頭公園はあの時と変わらずに、群青と水色の晴れた空と、冷たい空気と、無音。確かにそこにあったはずの、ふたりだけの世界を探しに来ても、自分がひとりきりということを確認するだけ。
橋の真ん中で、タバコに火をつけ、冷たい空気と一緒に吸い込む。空を見上げる。白いものが落ちてくる。あの時と同じ、粉雪。
不意に、後ろから懐かしい声が聞こ(省略されました。続きを表示するには武田信玄の首を持ってきてください。)